いよいよ最終回です。僕はもう灰色受験生ではないので。と、言っても題名をかえてしばらくはここでエッセイや日記を書かせてもらいますが・・・。そういうわけで本当は終りではないです。新たなスタートです!(かっこいい〜)
 それにしても長い受験生活でした。一応僕が受験生を止めたのは2月25日です(このことについては後ほど)。親が出して条件があります。絶対に浪人はダメ!出来れば国公立!それならどこでも可。私立は家から通える範囲。まぁ、家が貧乏なので私立の高い授業料を払いながらの一人暮らしは厳しいようです。まだ妹もいますし・・・。僕が受けた大学について語ろうと思います。と言いましても思い出に残る受験というのは某大学の推薦入試だけです。本当は試験後に書きたかったのですが、その直後に中間試験があり、その次にセンター試験という条件のため今頃書きます。それだけ書いてあとは適当に補足説明で終わります。
だいたい試験日の2週間前から推薦入試の準備を始めました。面接の中に口頭試問というものがあります。聞いた話によると数学の公式の証明が出るとのこと・・・。学校の試験で100点をとる人でも公式の証明は出来ないのでは?まぁ、覚えるだけでいいのですが・・・。逆に言えば知らなければ全く出来ないものです。そういうわけで放課後数学の先生と一緒に口頭試問対策をしました。先生が証明の問題をあらかじめ作っておき出そうなところだけ説明すると言う形です。
 僕は締め切りギリギリに願書を出しました。が、受験番号が×××××07でした。ちなみに定員は6人です。「これはもしかすると1人だけしか落ちる人がいないかもしれない・・・。チャンスじゃん!」てなことを担任と話していました。が!ある日・・・。面接時間の紙が大学から送られてきました。そこにはなんと25人もの受験者がいました。倍率4倍です。一気に落ちた気分になります。
 多少の不安を残しつつ、口頭試問はばっちりだぜ!という勢いで試験前日、僕は学校を早退して電車と新幹線に乗って某大学の近くのホテル(と言うよりは旅館)に行きました。
 旅館の人に案内されて部屋に入るとすでに相部屋の人(残念ながら男。H君と表現)が入っていました。大学入試の前日はどこの宿泊施設も大学受験生が多いのです。だからたいてい受験生同士相部屋になります。その子は物理の勉強をしていました。
「え?物理って試験に出るの?」
「いや。これは中間試験の勉強」
「余裕だね〜。じゃあ、僕は数学でも勉強しようか・・・」
と、例の口頭試問対策のプリントをだします。
「え?それ何?」と向こうが聞いてきます。
そこで僕は上に書いたようなことを説明しました。すると向こうはこういう試験問題が出ることを全く知らないらしく
「一緒に勉強しようや〜」と言ってきます。
僕は相部屋の人とは話すつもりは全く無かったのですが、同じプリントを二人で眺めながら色々な話をしました。聞いたところによると僕とは受ける学科が違うらしく(もし同じだったら試験を受けれないようにしていた。ヒッヒッヒ。って絶対そんなことしないように!)面接に外国人との英語での会話があるそうです。だったら僕の口頭試問対策は関係ないんじゃない?と言っても一応勉強をしておくと言って勉強していました。
 食事をした後も勉強勉強です。しかも数学について熱く語り合いながら・・・。何故かこの日に限って気管支炎が悪化したらしく咳をかなりしていました。熱いトークと咳により試験当日の僕は声がガラガラで面接で話せるかどうか心配でした。そう言えば咳き込む僕を「大丈夫?」と聞いてくれるかなりのいい日でした。
 その勉強中に彼は思い出したようにとんでも無い告白をしました。
「そう言えば今普通にため口で話してるやんか?でも多分俺一個上やねん」(そう言えば彼は香川出身と名のっていたがこれは香川弁?)
「え?そうなの・・・?あ!ごめんなさい。今まで・・・」今までただの老人だと思っていたら実は水戸のご老公様だった!という人の気持ちが分かりました。学ランを着ていたので浪人ではなく高校3年生です。が、一個年上なのです。
「いや、ええねん。むしろ普通でええよ。同級生にもため口だけで話させているし・・・。」
この人は本当にいい人で僕に「ため口で話せ」以外は何の注文をせず、むしろ逆にお茶を入れてくれたりとかなり気を使ってもらいました。まぁ、にもかかわらず僕は注文どおりため口で話し続けました。実際皆がため口の中1人だけ敬語を使われるのが嫌なのでしょう。その気持ちは分かる気がします。
 10時ごろ、僕達はお風呂に入りました。大浴場(十人位が入れる)に二人で行くと誰もおらず、かなりの広さです。
 風呂での印象的な会話(と言うか唯一覚えている会話)が二つあります。1つは僕が冗談で
「心配性でさぁ〜。昨日受験票を確認してから、さらに家を出る前に確認して、学校を出る前にも確認して、・・・(、あちこちで確認)したよ〜。」さすがに向こうは引いていました。俺ドンマイッ!
もう1つは、先程の心配話の直前に彼が言ったのですが、
「本当は相部屋の人がどんな人か心配だったんよ〜。いい人で良かった」
これに答えて恥ずかしさ紛らわしに心配性ネタを言ってしまったのですが大失敗です。
 そう言えば僕はこの時初めて浴衣を来ました。このように旅館に泊まる経験がほとんど無いので始めの浴衣体験です。彼もそのようで、帯のしめ方がお互い分からず、脱衣所でトランクスとシャツ一枚でお互いどうしたものかと迷っていました。結局僕が柔道の結び方を利用する画期的な結び方を発見し(多分普通のものだと思います)何とか恥ずかしい格好で廊下を歩くことを免れました。ちなみにホテルの浴衣は女性が着るワンピースのようなものです。ズボンのように足にぴったりとしないので、股下がスース―して気持ち悪いことと言ったらありません。
 風呂上りにも勉強して12時ごろ僕達はようやく寝だしました。

コメント

西

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索