ジョニー:「Hello!さぁ、トムとジョニーの名作劇場の時間だよ」
トム:「・・・」
ジョニー:「今日のテーマはずばり『日本語だ!』」
トム:「・・・」
ジョニー「と、言うわけで今日もお兄さん達と一緒に日本語について勉強して行こうね」
トム:「気が済んだ?」
ジョニー:「うん。」
トム:「え〜・・・、テーマから少し外れるかもしれないけど、流行語大賞が発表されたね」
ジョニー:「そうそう、今年も流行語大賞に、にし〜の言葉がノミネートされていなかったね」
トム:「いや、そりゃそうだろ・・・」
ジョニー:「チッ」
トム:「舌打ちするなよ・・・。まぁ、気を取り直して、今年の大賞はイナバウアーだったね。」
ジョニー:「うん、流行ったものね〜。俺なんか一日30回はイナバウアーって言ってたほどだもの。朝起きた時でしょ、ご飯食べる前後でしょ、それから・・・」
トム:「いや、そんな嘘話はいらないから。」
ジョニー:「まぁ、それだけ、流行したと言うことを強調したかったと言うこと。実際、今年は交通省の調べによると、イナバウアーの物まねをして腰を痛めた老人が前年度の30%増しだったらしいからね〜。ここ10年間横ばいだったのが一気に30%も上昇ですよ」
トム:「いや、それも嘘だろッ!もっともらしいこと言いやがって・・・」
ジョニー:「話はそれるけど、もっともらしく書くコツは”である調”で言い切ることと、接続詞等でカッコよく文を繋ぐことだよ。」
トム:「へ〜、例えば?」
ジョニー:「『そもそも、社会格差の定義は何であろうか。社会が格差しているのか、はたまた格差が社会しているのか。このように我々が社会格差について定義する時、社会が格差すると言う問題が生じる。何故ならそれは、格差が社会しているからである。(中略)例えば、ここで、クリスマスの社会格差について考えてみるとする。するとどうだろうか、「にし〜がノートパソコンが欲しいと思っている」と言う現象が見えてくる。このように社会格差はノートパソコンなのである。』・・・な?」
トム:「御免、ツッコミどころが多すぎてツッコメないや」
ジョニー:「後、最近の日本語と言えば、若者の間違った日本語の使い方が話題だよね〜」
トム:「うん、だね。よく間違った日本語の例として耳にするのが、レジで『1000円からお預かりします』とかね。」
ジョニー:「先ほどの最もらしく書く文章にも一文おかしなところがあったのだけど、気づいた?」
トム:「って、全てがおかしいじゃん・・・。まぁ、文法では『にし〜がノートパソコンが欲しいと思っている』だろ。」
ジョニー:「うん正解、正確には『にし〜がノートパソコンを欲しいと思っている』か『にし〜はノートパソコンが欲しいと思っている』だね。同じ助詞が連続すると分かりにくいからね。って、そんなに繰り返して『にし〜はノートパソコンを欲しいと思っている』を言うと、まるでクリスマスプレゼントに『にし〜がノートパソコンを欲しいと思っている』からにし〜にノートパソコンをあげないといけないみたいではないかッ」
トム:「御免、もう何が言いたいのか、さっぱり分からないや・・・・。」
ジョニー:「え?わかんなかった?だから『にし〜がノートパソコンを・・・』」
トム:「それはもう、どうでもよいんだよッ!」
ジョニー:「それでは第2問。」
トム:「まだ続くんだ。」
ジョニー:「『営業周りの帰り道、私は会社に戻る前に公園のベンチで缶のホットコーヒーを飲んでいた。右手で缶コーヒーを持ち、左手はコートのポケットに入れたままにしている。それほど寒いのだ。ふと、向かい側のベンチに目をやると、一人の女子高生が座っていた。その子は娘の同級生で、昔は毎日のように遊びに来ていた子だった。明るくて礼儀正しい良い子と言うのが私の印象だ。最近は家に来てないみたいだが、制服は娘と同じものだった。今でも娘と彼女の友好関係は続いているのだろうか?私は彼女に挨拶をしておこうと思い、腰を上げようとした。その時、彼女の前に一人の男子生徒が現れた。アイスクリームを二つ持っている。「お待たせ」、「ありがとう」だろうか、ここでは2人の声は聞こえないがそう言った気がする。男子生徒は彼女にアイスクリームを1つ手渡すと、自分もベンチに腰掛けた。彼女とはだいたい1人分の距離を空けて。おそらく、それが2人の未だに埋まっていない距離なのだろう。付き合い始めて日が浅いのかも知れない。彼氏はアイスクリームを一気に食べてしまったが、彼女はまだ4分の1も食べていなかった。それでも彼女はマイペースにアイスクリームを食べていた。彼氏も手持ち無沙汰にしているが、焦らすことなくじっと待っている。彼女は最後の一口を食べ終わると勢いよく立ち上がって、彼氏の方に回れ右した。そして彼氏もゆっくりと立ち上がると二人して私の方に向かって歩いてきた。私の側に公園の出入り口があるからだ。やがて2人の声が聞こえるぐらいまでに近づいてきた。「やっぱりアイス食べると余計に冷えるね〜」彼氏は両手にポケットをツッコんだままそう言った。すると彼女の右手を彼氏のポケットに入れてから恥ずかしそうに上目遣いでこう尋ねた。「こうすると暖かいかな?」って・・・。彼氏は戸惑いながら、そして照れながらも「うん」と答えた。彼女は良かったと言って、無邪気に微笑んだ。やがて2人は私を横切り、公園を出て行った。私は2人の姿が見えなくなってから会社に戻るために、腰を上げた。』」
トム:「長いよッ!ところで、これ、本当に間違いあるの?パッと見た感じないよ。」
ジョニー:「正直、こんだけ長いと問題製作者の意図せぬところで間違いがありそうだよね。」
トム:「う〜ん、降参。わかんないや。」
ジョニー:「正解は『無邪気に微笑んだ』でした〜。」
トム:「え?何で?」
ジョニー:「だって、邪(よこしま)な気持ちが無い人間なんていないから」
トム:「・・・」
ジョニー:「そういう意味では無邪気と言う単語が存在すること自体が間違いだね。」
トム:「もしかして、それだけ?」
ジョニー:「うん」
トム:「それを言うためだけに、この長い小説モドキを書いたの?」
ジョニー:「うん」
トム:「え〜と、まず無邪気には『あどけなく可愛い様』と言う意味もあります。それに、もし、『邪な気持ちが無い人間なんていない』と仮定しても、この小説を読む限りでは、彼女の微笑むと言う行為には邪な気持ちは全くこれっぽちも無いわけだから・・・」
ジョニー:「え?」
トム:「だから、彼女の微笑むと言う行為には、例えば彼氏を誘惑しよう等と言う邪な気持ちは無いの。むしろ『良かった』という安心の気持ちの表れみたいな・・・、そういうのだから・・・。だから、『無邪気な人間』と言う表現は間違いだとしても、微笑むに無邪気がかかることは全く問題ないの。そもそも、邪な気持ちが無い人間なんて居ないという仮定自体、間違っていると言えば、間違っているし・・・」
ジョニー:「と、このように日本語って解釈が難しいよねと言う話でした〜。それでは〜」
トム:「って、これでお終いなの?こんなオチでいいの?」

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西

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